久々に私の好きなタイプのイイ映画を見ました。
「エイプリルの七面鳥」です。

家族の中でひとりだけ変わり者扱いされ続け、一緒に住むことをやめたエイプリルは、優しくて理解ある恋人ボビーとふたりで今は暮らしています。
母親が癌で余命いくばくもないことを知り、感謝祭に家族みんなを招待することに決めたのですが・・・。
家族をもてなすために奮闘するエイプリル−なんと七面鳥を焼く段階になって、オーブンが壊れてしまい、オーブンを貸してくれる人を探してアパートを一軒一軒訪ね歩くのだ−。
エイプリルのもとへ車を走らせるエイプリルの家族−エイプリルとの散々な思い出ばかりが蘇り、誰一人としてエイプリルの手料理を楽しみにしていない−。
エイプリルの家族に会うためにスーツを新調しに行くボビー−しかし、スーツを貸してくれるはずの友人になかなか会えず・・。
この映画のいいところは登場人物、誰一人としておろそかに描かれていないことだ。
エイプリルの家族は、病気の母親に加えて、父、妹、弟、そしておばあちゃんまで登場するのだけど、砕けた言い方で説明すれば、みんな「キャラが立ってる」のだ。
個性的な一人一人が、きっちりとそこにいる理由がある。
エイプリルの恋人ボビーの溢れんばかりの優しさもたまらない。
料理の苦手なエイプリルを励まし、スーツを借りに出かけるときは、ただ「用事がある」としか言わずに家を出る。
「服を借りに行く」といえば、エイプリルに止められるのは分かっている、でも、エイプリルの家族を心からもてなしたいのよね。
オフビートな笑いに溢れていて、それでいて、ラストはぼろぼろと泣かせてくれました。
こういう低予算ながら愛情を持って作られた映画を見ると心から幸せになる。
映画を見終えて調べてみれば、この映画の監督・脚本ピーター・ヘッジズは、あの「ギルバート・グレイプ」、「アバウト・ア・ボーイ」の脚本を手がけた人ではないですか。
私、この人の書くストーリーは好きだわ。
この作品でアカデミー助演女優賞にノミネートされた母親役のパトリシア・クラークソンはもちろん素晴らしかったけど、エイプリルを演じたケイティ・ホームズも褒めたい。
「アイス・ストーム」、「ギフト」と、彼女の出演した映画は見たのだけど、全く記憶に残らず、カーペットの上でトム・クルーズといちゃつく姿がただただ強烈なだけ。
いちゃつく姿がお仕事に見えてしまうのが、ケイティの辛いところだ。
でも、この映画では、彼女の普通っぽいルックスが、まさに役柄にはまっていて、彼女のアップのシーンが非常に多い映画なんだけど、瞳で心の動きを表現するのに成功していた。
この路線でもうちょっと頑張ることも出来たのでは?と、お節介ながら思ってしまう。
「エイプリルの七面鳥」より原題の「Pieces of April」が正解。
エイプリルのPiecesが集まるラストに涙を禁じえないのだから。