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ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」と「黄金時代」を、昨晩眠る前に2本続けて見ました。そのせいか知りませんが、なかなか寝付けず大変でした〜。

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どちらも脚本にはサルバドール・ダリが名を連ねてます。

「アンダルシアの犬」。映画の始まりはポスターにもなってる、左目をナイフで切り裂くシーン。
痛みに弱い私はそこでいきなり「ぐぇっ」とがまがえるのような声が出てしまいました。
次から次に不思議な映像が流れる16分。

「黄金時代」はさらに強烈。
「アンダルシアの犬」よりストーリーは確実に存在しているのに、見終えてみれば思い出されるのは、唐突にベッドに横たわる牛であったり、唐突にお互いの指を食べあう抱擁するカップルであったり、唐突に炎から逃れて絶命する女性の姿であったり。
私が追っていると信じていたストーリーは一体なんであったのか?

後年、ブニュエルはドヌーブを迎えて変態映画(と言ってしまっていいかしらん)の傑作「昼顔」を撮ったわけですね。
この監督は初期の作品からひとつずつ見ていくのも楽しそうだ。シュールレアリズムの映像に付き合い続ける気力さえあればね。

久々に私の好きなタイプのイイ映画を見ました。
「エイプリルの七面鳥」です。

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家族の中でひとりだけ変わり者扱いされ続け、一緒に住むことをやめたエイプリルは、優しくて理解ある恋人ボビーとふたりで今は暮らしています。
母親が癌で余命いくばくもないことを知り、感謝祭に家族みんなを招待することに決めたのですが・・・。

家族をもてなすために奮闘するエイプリル−なんと七面鳥を焼く段階になって、オーブンが壊れてしまい、オーブンを貸してくれる人を探してアパートを一軒一軒訪ね歩くのだ−。
エイプリルのもとへ車を走らせるエイプリルの家族−エイプリルとの散々な思い出ばかりが蘇り、誰一人としてエイプリルの手料理を楽しみにしていない−。
エイプリルの家族に会うためにスーツを新調しに行くボビー−しかし、スーツを貸してくれるはずの友人になかなか会えず・・。

この映画のいいところは登場人物、誰一人としておろそかに描かれていないことだ。
エイプリルの家族は、病気の母親に加えて、父、妹、弟、そしておばあちゃんまで登場するのだけど、砕けた言い方で説明すれば、みんな「キャラが立ってる」のだ。
個性的な一人一人が、きっちりとそこにいる理由がある。
エイプリルの恋人ボビーの溢れんばかりの優しさもたまらない。
料理の苦手なエイプリルを励まし、スーツを借りに出かけるときは、ただ「用事がある」としか言わずに家を出る。
「服を借りに行く」といえば、エイプリルに止められるのは分かっている、でも、エイプリルの家族を心からもてなしたいのよね。

オフビートな笑いに溢れていて、それでいて、ラストはぼろぼろと泣かせてくれました。

こういう低予算ながら愛情を持って作られた映画を見ると心から幸せになる。
映画を見終えて調べてみれば、この映画の監督・脚本ピーター・ヘッジズは、あの「ギルバート・グレイプ」、「アバウト・ア・ボーイ」の脚本を手がけた人ではないですか。
私、この人の書くストーリーは好きだわ。

この作品でアカデミー助演女優賞にノミネートされた母親役のパトリシア・クラークソンはもちろん素晴らしかったけど、エイプリルを演じたケイティ・ホームズも褒めたい。
「アイス・ストーム」、「ギフト」と、彼女の出演した映画は見たのだけど、全く記憶に残らず、カーペットの上でトム・クルーズといちゃつく姿がただただ強烈なだけ。
いちゃつく姿がお仕事に見えてしまうのが、ケイティの辛いところだ。
でも、この映画では、彼女の普通っぽいルックスが、まさに役柄にはまっていて、彼女のアップのシーンが非常に多い映画なんだけど、瞳で心の動きを表現するのに成功していた。
この路線でもうちょっと頑張ることも出来たのでは?と、お節介ながら思ってしまう。

「エイプリルの七面鳥」より原題の「Pieces of April」が正解。
エイプリルのPiecesが集まるラストに涙を禁じえないのだから。

「きみに読む物語」を見ました。

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療養生活を送る認知症の老婦人アリーの元に、デュークと名乗る老人は足繁く通い、物語を読み聞かせます。
それは1940年代のアメリカ。
令嬢アリーと地元の青年ノアとの、身分を越えた恋物語でした。
一度は引き裂かれる2人ですが、数年後、運命はまた2人を結び付けます。しかしそのとき、すでにアリーには婚約者がいたのでした。

身分違いの恋というのは何度も映画になっているので、淡々とした気持ちで見ていたのですが、読み聞かせる物語が誰によって書かれたのかが明らかにされたときに、思わず鳥肌が立ちました。
アリーの言う「Do you think our love, can take us away together? 」は名台詞だと思います。
ラストシーンは、ひとつの理想の愛の形に私には見えました。

「パフューム ある人殺しの物語」を見ました。

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公開されたとき、すごく話題になってたので映画館へ見に行きたかったけれど、ホラーとジャンルわけされてたので、怖がりの私は諦めたのでした。
でも、その後もずっといいレビューを目にしてたので思い切って見てみましたが、楽しめましたよ。
確かに目を覆いたくなるような残酷なシーンもあるけれど、荒唐無稽なストーリーが面白くて画面に引き込まれてしまうんですよね。
原作は「香水 ある人殺しの物語」といって、ヨーロッパではベストセラーだそうですが、私はストーリーのことを何も知らなかったので、映画を見ている間は「こんなに話が膨らんでしまって収束できるのか?」とハラハラ。

異常な嗅覚を持つ少年が、究極の香水を作り出すことを夢見て殺人を犯していきます。
女性の香りを永遠に閉じ込めようとするんですね。
よく考えれば辻褄の合わないところもあるんだけど、これはもうこの映画の寓話性を楽しみたい。

パリが舞台なのに、全編英語と言うのが唯一の難点ですね。フランスが舞台なら何が何でもフランス語に!とは言いません。「フランスが舞台だけれども台詞は英語」で作られた名作もありますから。
でも、「ショコラ」とこれはフランス語で撮るべきだったと思いますよ。

見て損はない一本です!

「パリ、ジュテーム」を見ました。

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18人の監督がパリを舞台に撮ったショートフィルムのオムニバス。
それぞれのストーリーは5分程度と言う長さなので、どんどんテンポ良く見ることが出来ました。

一番好きだったのは、グリンダ・チャーダ監督の「セーヌ河岸」。
セーヌ左岸に腰掛けて道行く女性に手当たり次第に声を掛ける少年たち。
そん中、一人の少年はアラブ系の美少女に一目ぼれしてしまい・・・。という他愛無いストーリーなんですけど、この主役の二人が本当に初々しくてよかった。涙が止まらなかった。


心に残ったほかのストーリーを思い出すままに。

子供を失った母親の喪失感を描いた諏訪敦彦監督の「ヴィクトワール広場」。(ジュリエット・ビノシュが相変わらずうまい)
妻に離婚を切り出そうとした男は、彼女が白血病で余命いくばくもないことを知る。夫婦のなんたるかが心に染みるイザベル・コイシェ監獄の「バスティーユ」。
墓地で喧嘩するイギリス人カップル。男はオスカーワイルドの墓にキスする恋人が理解できない。 ウェス・クレイヴン監督の「ペール・ラシェーズ墓地」。
恋人から別れの電話を受けた盲目の青年が、出会いの瞬間からを振り返る。独特のスピード感の中に切なさが凝縮されたトム・ティクヴァ監督の「フォブール・サ・ドニ」。


人間が超えるべきは、人種の壁なのか、言葉の壁なのか、文化の壁なのか、国境の壁なのか、宗教の壁なのか、持つものと持たざるものの壁なのか。
ということを、たまに延々と考える。
昨年、有吉佐和子の「非色」を読んで衝撃を受けて以来、どうも一番最後のもの−持つものと持たざるものの壁−なのじゃないかと思っている。
有史以来、一度も解決されたことがなく、これからもそうであることは明白で、無力感に襲われる。

こういった映画の中で、それぞれの場所で精一杯生きている人たち、人生を謳歌していようとしている人たち見ると、「結局、最後に勝つのは愛なのだ」と思う。そう思えるのは嬉しいことで、ただでさえ映画は私を別の世界に飛ばせてくれるのに、こういった上向きの感覚まで享受できるのだから、リュミエール兄弟にはつくづく感謝したいなどと、100年前にまで想いを馳せるのでありました。



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